夢想

2004年8月1日
あの人の周りは
音さえ消えて
静謐な色が溢れる

幾日を過ごしてきたことか
藻の陰や、樹木の隙間から

風に揺れるあなたの髪を見つめ

遠く微かに聞こえる声に
耳を澄ませ

私の者にならぬなら
せめて、傷だけでもと
牙を研いだとしても

あなたの前では
ただ跪くことしかできぬ

輝かしく柔らかい
光を纏ったあなた

せめて一夜
この腕に抱かれてはくれまいか

その肌を
その心を
私に沿わせてはくれまいか

生きてゆく夢の
なんと儚いことよ



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