スクール

2004年9月11日
あの人の通う
テニススクールに
僕も申し込もうと思った

知らない場所に一人では行けない
僕の病気を知っているあの人は

「一緒に行きますか?」

はじめて、二人で会社を出た。

別々のクルマに乗って
スクールまでのドライブ。

リアウィンドウから見える
彼女の後姿だけの。

スクールで申し込みをした

「ご紹介された方のお名前を教えていただけますか?」

僕は、あの人の名前を告げた。

「その方には、5000円の商品券が送られますので
ご利用いただけますようお伝えください」

ぼくは、なんだか
あの人と
何かが繋がったような気がして
嬉しかった。

申し込みが終わると
二人してスクールを出て
別々のクルマにのり

「ばいばい、また来週。おやすみなさい」

途中までは同じ道。

T字路にさしかかって、
あの人は左
僕は右

あの人は、ハザードを数回光らせたあと
左に曲がっていった。

海岸で
とても小さくて綺麗な貝殻のかけらを拾ったような
そんな一日だった。

忘れないよ。

あの人が忘れても。

ぼくは、覚えていると思う。

今日の、あの人との時間を。


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